2024年に配布した「ひらきけん通信 第12号」から、記事をピックアップして紹介します。


英単語力高速推定マシンの開発に向けて

英語の学習において語彙力の増強は大事な要素の1つです。新しい単語を効率的に学習するためには、知らない単語を把握すること、自分の英語レベルに合ったものを優先して学習していくことが望ましいです。現在は個人の英語レベルを推定するときに、筆記試験などを使用していますが、私たちは脳活動を見ることでそれをより素早く推定することができないか検討しています。今回はそのための準備として、大学生を対象にさまざまなレベルの英単語(よく使われるものから、ほとんど使われないものまで)を400ミリ秒間ずつ提示し、知っている単語と知らない単語で脳活動に違いが見られるか調べてみました。すると、単語が表示されてから200ミリ秒ほどですでに知っている単語と知らない単語では脳活動に違いが見られることがわかりました。今後はこのデータをもとに、個人の英単語力を脳活動からより素早く推定していくマシンの開発を目指していきます。(RM)


AIで人の気持ちを読み取れる!

人の情動とムードは心拍数や発汗などの生体反応に表れます。このような生体反応をセンシングすることで、AI は人の気持ちを推定することができます。ただし、この人の気持ちを推定する AI の精度は人によって異なっています。正しく判別できる人もいればそうでもない人もいます。そこで私たちは、ユーザ一人一人の気持ちをより正確に読み取るために、個人差の原因を調査し、AI モデルの改良に取り組んでいます。(ZG)


赤ちゃんはみんなに合わせた行動を好む?

列に並ぶ時順番を守ること、電車に乗る時降りる人を優先させること、集団生活を円滑化させるための慣習やルールはごく身近な存在です。またこのよう な慣習やルールはみんなが守ることを前提として成り立つものです。私たちは赤 ちゃんがみんなの行動に合わせるキャラクターに好みを示すかどうかについて 調べています。昨年度の実験では赤ちゃんに複数のキャラクターが順番を守って列に並ぶという動画を見せた後、列に並ぶキャラクターと横入りをするキャラ クターのどちらが好まれるという場面を提示しました。そうすると、赤ちゃんは 列に並ぶキャラクターと横入りをするキャラクターに対して異なる反応を見せま した。今後は長期的な追跡研究も視野に入れた上、みんなに合わせた行動と 道徳的評価との関連性や社会的ルール に対する認識の発達について考察して いく予定です。興味のある方はぜひご参 加ください。(SD)


ひらき研究室では他にも沢山の研究を行っています.よろしければこちらのページもご覧ください.