調査研究にご協力頂いている保護者の皆様、お子さまの皆様、
この度、「ひらきけん通信」12号をお送りできることを大変嬉しく思います。振り返ると、Covid-19パンデミックの影響で、長期に渡って対面での調査・研究を中断せざるを得なくなりました。現在は、少しずつ赤ちゃんラボ(実験室)での対面調査研究を再開しつつあります。このように研究が再開できたのは、皆様(とお子さま)のボランティア精神の賜物であることは間違いありません。この場をお借りして、深く御礼申し上げます。
パンデミックを経験し、いろいろと考えさせられました。特に、実験室での対面調査だけに依存した発達研究・赤ちゃん研究をなんとかしたいという思いが湧いてきました。せっかく調査研究の協力者としてご応募頂いたにもかかわらず、ご連絡を差し上げることができなかった方々も少なくありません。また、我々の調査研究が、研究(者)のための研究になっていたことにも気づきました。
こうした思いもあり、2024年度から赤ちゃんラボ5.0という非営利の社団法人を設立することにし、現在その準備をしています(正式名称は「一般社団法人 赤ちゃんラボ5.0」になる見込みです)。赤ちゃんラボ5.0では、対面調査だけでなく、オンライン調査やアンケート調査なども行なっていきます。研究部門では、東京大学の開研究室だけではなく、日本女子大学、慶應義塾大学、上智大学、大阪大学、京都大学や海外の仲間にも声をおかけし、幅広い地域や年齢のお子さまを対象にしつつ、これまでの研究方法にとらわれず発達・成長を研究していきます。また、社会連携部門では、子どもに関連する企業(乳幼児向け商品開発企業、出版社、テレビ局など)や保育施設・学校、行政機関にもご協力をお願いする予定です。
赤ちゃんラボ5.0の目標は、子ども達一人一人が持っている素晴らしい能力を発達の過程で花咲かせるための育児・社会制度・製品開発を、しっかりとした研究に基づいて行っていくことです。特に、発展著しいテクノロジーと子ども発達・成長の関係について発達認知科学(赤ちゃん学・認知科学・神経科学・情報科学を含む)の視点からアプローチしていきます。このためには皆様のご協力が必須です。
現在、皆様のご意向をお尋ねする簡単なアンケートを実施しています。具体的内容は、「東京大学 開研究室」への調査研究協力者としてご応募頂いた方々に、赤ちゃんラボ5.0での活動にご協力いただけるかどうかをお伺いするものです。赤ちゃんラボ5.0にご協力頂く場合も、個人情報等に関しては私が責任をもって管理していきます。また、赤ちゃんラボ5.0で研究調査する研究者については、あらかじめ厳密な 審査−例えばこれまで赤ちゃん研究・発達研究で国際論文誌等に掲載され、かつ、複数回引用されているなど−をして加わってもらいます。
アンケートは5分程度で終了しますので是非ご回答頂けますと幸いです。
https://forms.gle/X6o4W5Sm6HGhrxbt7
東京都目黒区駒場3−8−1
東京大学大学院総合文化研究科・大学院情報学環 教授
akachan-lab5.0@ardbeg.c.u-tokyo.ac.jp
開一夫